Wacom液タブをHDMI出力端子のないPCに接続したい

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この記事は、次の記事の顛末になります。

2025年1月17日、新しいPCが届きました。従来と同じNEC一体型デスクトップです。

東

一貫してデスクトップが好きです。ノートPCのキーボードとは壊滅的に相性が合いません。あのマウス代わりに指でくるくるする場所も邪魔で仕方がない。

今回は、この新しいPCちゃんのセットアップから、液タブの接続で難儀した件などを記していきます。備忘録と、何よりも自戒を込めて書きます。

ものっすごく長いので、ご覚悟ください。

セットアップ

セットアップは比較的簡単でした。画面の通りに進むだけ。

画面の通りにクリックしていくだけ。

旧PCの頃からMicrosoft365に契約していたので、Officeも購入せずに済みましたし、ドキュメントもピクチャもすべてクラウドが記憶してくれているので、データ移行はせずに済みました。

この便利さにはお金を出す甲斐がありますね。何かあってもクラウドが覚えていてくれてますし。私は念には念を入れたい人間なので、外付けHDDにもバックアップを取り、別会社のクラウドにも重要なファイルは分散して保存しています。保険は複数かけておきたいのです。

でも今回は、複数の保険はただ一点(クリスタの設定や素材のバックアップ)を除いて不要でした。クラウド便利。クラウドを管轄している会社のセキュリティさえちゃんとしていれば(信頼できる会社である程度お金を出せば)とても楽です。

セキュリティ

最初にこれをしないと話にならないので、今まで契約していたツールを継続。メーカーサイトにログインして、ダウンロードすればOK。以前のPC登録を削除することだけは忘れずに。「3台まで」とか「10台まで」とかお約束がある筈なので。

メール設定

さて、せっかく新しくなったし、Outlook(new)を試してみようかな、とチャレンジ。私はドメイン登録をしているので、メーラーの設定は少し面倒です。有名どころだとおそらく勝手につないでくれるのかな。パスワードさえ入力すれば。

でも独自ドメイン契約しているとそういうわけにはいかないようで。まあこれは、契約サーバーにメーラーごとに方法が記載してある(IMAPのポート設定やらPOP3のときはこうしろだのという設定が一覧表になっている)ので、その通りにします。

しかし、Outlook(new)は私の契約サーバーでは推奨していませんでした。理由は、サーバーにはメールが届いているのにOutlook(new)側でメールを受信できない、というものでした。

そのFAQについては、次のページに記載されています(時限的なものでいずれ記述は削除されるかもしれません)。

抜粋引用すると下記のとおりです。

さくらのレンタルサーバでは、Outlook(new)について「IMAP接続」でご契約のサーバーと接続できることを確認しておりますが、サーバーにはメールが受信されているにもかかわらず、Outlook(new)でメールを受信できない現象が確認されており、このため現時点ではご利用を推奨できかねます。
また、POP接続では、正常動作を確認できておりません。

「そんな馬鹿な」と思いましたが、本当にそうでした。数日様子を見ましたが、今まで散々来ていたメルマガが一通も届かなくなりました。メルマガくらいならまだいいですが、注文メールまで届きません。これは拙い。

やはり警告されている通り、Outlook(new)は現在(2025年1月現在)はまだ使わないほうがよさそうです。やがて改善されるだろう、といくつかの解説サイトで拝見しましたので、その「やがて」を信じつつOutlook(classic)に戻しました。しばらくはこちらでいきます。

設定をやり直し、Outlook(classic)にしたところ、以前と同じようにちゃんとメールが届くようになりました。よかったよかった。

ユーザー辞書

これが飛んだのは地味に痛い。「からす」と入力したら即座に「鴉-KARAS-」と変換できるよう調教していましたし、まあほかにもいろいろ教育していました。それが全部飛びました。何か移行する方法があるとは思いますがもはや面倒(根が怠け者)。

自分のPNも少し変わっておりまして。

東真理子と書いて「しのまりこ」と読みます。大抵の方が「ヒガシさん」「アズマさん」と呼んでくださいます。凝りすぎた自分が悪い。でも馴染んで長いので入力時には自分の読み方でキータッチします。100%出ませんね。登録登録。

キャラの名前など凝ったものについてもご同様。

乙羽おとは。これは奇跡的に出ました。廻向えこう。これも仏教用語のおかげか無事に変換。ぬえ礼治れいじもひとまず大丈夫。さて、柱の男たち(鬼滅じゃなくてJOJOのほうの柱)はどうでしょう。

輝彩滑刀きさいかっとう。あ、出たすごい。むしろ何故。
かいえんのう。はい無理でしたね。怪焔王かいえんのうです。「焔」を出すのにちょっと難儀します。これも登録が必要です。

こんな調子でこれからしばらくは、変換に躓く度に辞書登録画面を開くことになりそうです。

フォント

もう一つ大変なことがありました。フォント。これもダウンロードしたものはすべて忘れました。ううむ。これはまだ旧PCが手元にありますので、記憶を引っ張ってこれないでしょうか。

大体がフリーフォントでしたので、また新しく入れればいいのですが、一部有料フォントが…これはまた調べてDL先のサイトにいってみます。無理だったらちょっと泣きます。

液タブ接続

これが最重要事項です。

このためにPCを買いなおしたといっても過言ではありません。嗚呼それなのに。

今一度おさらいをしますが、以前のPCにはHDMI差込口がありませんでした。HDMIからUSBへ変換するケーブルをつないで、2019年2月~2025年1月までなんとか運用していたのです。変換ケーブルを使うのは、Wacomさんでは非推奨です。できればちゃんと直接つなぎたかった。
ここまでが前提。

入稿直前、液タブの画面が真っ暗に

本年(2025年)1月8日。悪夢の日です。翌日午前10時が通常締切です。それまでに印刷所に原稿を送信したい。いわゆる「入稿」をしたかった。割引には間に合わなかったので本当の締切でした。割り増しはしたくありません。

その締切日前日の1月8日に、液タブがブラックアウトしたのです。

本文がほぼ仕上がっていたのは幸いでした。「ほぼ」なのでまだ修正は残っていました。この時にはまだ旧PCです。

東

どうした、パソコンちゃん!液タブちゃん!何があったんだ!

いやもう真っ青です私。

発行予定の本は「準備号」だったため、最悪「完全版」で修正されていればいい、という覚悟はしましたがそれでも気になる箇所はまだ何か所かありました。

しかし画面が映らない。それでも何故かペンには反応します。ペンは生きているのです!つまり、板タブ。液タブなのに板タブ。板タブ状態。いや…でもやむなしです。マウスで描くよりは数千倍マシというもの。

以前は板タブで色塗りくらいはしていた自分。多少のことなら何とかなるでしょう。結果、まあ何とかなりました。

しかし、このままで良いはずがありません。

ひとまず入稿を無事に終え、1/12のイベントも済ませた私は、選択に迫られました。

同人作家の選択。その心のうちに分け入ってみよう。

とりあえずこのままでは原稿ができません。「準備号」を出した今、「完全版」に取り掛からねばならぬのです。ここで筆を折るわけにはいかないのです。

私は次の3つの選択肢で悩みました。

  1. パソコンを買いなおすか?
  2. 液晶タブレットを買いなおすか?
  3. 変換ケーブルに問題がある可能性もある。ケーブルを買いなおすか?

ここで、英雄でも何でもない私の心のうちに分け入ってみましょう(この番組をご存じの方は笑ってやってください)。

その1:パソコンを買いなおす。

東

確かに今のパソコンは2018年購入。かなり古くなり、挙動もおかしくなってきた。勝手に強制再起動をしたり、全体的に動きがもっさりしている。

しかし、パソコンは決して安い買い物ではない。私は裕福ではない。まだ10年も使っていないPCをそう簡単に買い換えてもよいものか?

その2:液晶タブレットを買いなおす。

東

確かに液タブも購入は2019年。メーカーサイトによれば今はUSBで手軽に接続できるものも発売されている。それならば今のPCにも簡単に接続できるだろう。

だが、液タブとて決して安くはない。それにUSBで繋げるタイプは、現在使用している液タブよりも画面が狭くなる。かえって使いづらいのではないか?

その3:変換ケーブルを買いなおす。

東

確かに変換ケーブルの故障というだけなら、金額的負担は最小で済む。1万円程度出せばそれなりに良いものが買えるだろう。

だが、ケーブルは本当に壊れたのか?破損したという事実は確認できない。外観も問題はない。そして本来は変換ケーブルの使用は推奨されていない。ここでまた金銭的負担を負ってでも、非推奨の接続を続けてもよいものか?

さて、皆さんならどれをお選びになりますか?英雄でもなんでもない「東」の選択は果たしてーー?

はい、お遊びはここまで。結局私は「その1:パソコンを買いなおす」を選びました。

選択の理由は

理由は、何度も強制再起動を繰り返すPCがいい加減不安になっていたためと、使用している液タブはまだまだ現役でWacomさんで販売中のものだったため。ケーブルについては、HDMI差込口のあるPCを買えば不要になる!そうだそうだそれが一番いい!これで何もかも解決!
…これが私の選択理由でした。

その選択の敗因。

いよいよ本題です。長い。私の文章長いですね。ごめんなさい。いいの備忘録だから。
さて、新しいPCちゃんが到着しました。待つこと一週間。メモリ増設やらSSD増設やらいろいろ注文を付けたので最長待期期間でした。

さあ、新しく届いたPCの裏側を見てください!

ね、ね、HDMI差込口がついてるでしょ。これでもう安心です!変換ケーブルを経由した非推奨の方法をとらなくてもいいのです!私はウキウキで液タブにつながっているHDMIケーブルをグサッと差し込みました。

でも。

つながらない…!正確に言えば画面が映らない!つまり前と何も変わっていないのです状況が!!

液タブなのに板タブなのです!!

東

何故!なぜ!WHY?!

再起動してもダメ。ケーブルを抜き差ししてもダメ。途方に暮れた私は…。

Wacomのサポートさんに泣きつきました。

拝啓Wacomさま
御社の液タブを今まで変換ケーブル経由でつないでいましたすみません。今度は新しくHDMI差込口があるPCを買いました!でも画面が映りません!何故ですか教えてくださいお願いします!

というような問い合わせを、詳細まで事細かく記載して送信しました。5営業日以内の対応予定でしたが、わずか2営業日でお返事がありました。Wacomさんのお返事には次のようなことが書かれていました。

拝啓(ほかご丁重なご挨拶)
お客様のPCを調査しましたところ、「HDMI出力端子」がついておりません。つまり画面を外部に映す仕様になっていません。ややこしくて申し訳ないですが、PCメーカーさんに画面を外部に出力する方法について聞いてみてください…ウチではお役に立てずにごめんね。

と、いった内容が大変に丁重に記載されていました。賢明な諸氏はとっくにおわかりで今ため息をついておいでかと存じますが。そうです。

東

HDMIって…差込口があればいいってものじゃなくて、「入力端子」と「出力端子」の違いがあったのかあああ…!!

そして余分な出費へ

そして「○○へ」ってなんだかカッコいいですが何もカッコ良くありません。

メーカーさんにお尋ねするまでもありません。ちょっと調べれば「入力端子」が「出力端子」に化ける、なんて都合のいいことが起こるわけがありません。だってきちんとメーカーの仕様には「HDMI(入力端子)」って記載されているのですから。私がそれを読み飛ばした(かつ知識がなかった)だけです。そもそも一体型のPCを買った時点で「一体型なんだから他の画面に映像を出力する必要なんてないですよね?全てこのメカだけで用事は済む筈ですよね?だって一体型なんだから」ということなのかと。

愚かすぎます、自分が。

友人の調べてくれたところによると、他のメーカーさんではファンクションキーの設定で「入力」と「出力」を切り替えることができる、なんて機種もあるようですが(すごいね)。ダメ元で試してみたけど勿論ダメ。

結局、液タブに画面が映らなくなった理由は「変換ケーブルが壊れた」ということのようです。私は素直に「その3:変換ケーブルを買いなおす」を選択すれば、おそらく最小限の出費で済んだのです。

いや、でも実際にPCの挙動は本当に不安定でした。昨年8月にWindows11へアップデートしてから、症状は増悪の一途。基本スペックは満たしていましたが、満たしていたというだけだったのでしょう。ボロボロ状態でよくぞここまで耐え忍んでくれました。むしろ肩をやさしく包んでお礼を言わねばなりません。

ゆえに。PCを新調したことは後悔していません。もちろんすぐに変換ケーブルも買いなおしました。選択「その1:PCを買いなおす」と「その3:ケーブルを買いなおす」の両方を選択したことになりますが、それで良かった筈です。

そして最終的に。液タブは、無事に復活しました!!
1月23日、変換ケーブルが届いて接続し、画面が映った時の私の狂喜乱舞といったら。

満開の桜

心は満開の桜…!

…2週間ですよ2週間。半月。その間ほかにもやることは山ほどありましたのでこれだけ時間があったのは結果的には良かったのですが。ブランクが恐ろしいです。まずは筆圧感知を設定しなおして。まだ本格的に原稿には着手していませんが、ラクガキをしてみたところどうにかなりそうです。

東

これで…やっと原稿に取り掛かれる…!
(もう逃げられないとも言える…!)

購入したケーブルは次の商品です。少し値は張りますが、皆様の高評価を信じました。

それから、次のサイトの記事も参考にさせていただきました。ありがとうございます。

上の記事は、SNSで救いを求めたところ、ご教示いただいた記事です。勉強させていただきました。本当にありがとうございました。

7~10年後に向けて

私に10年後もまだデジタルで漫画を描いていられる体力があるのかどうか、という話はさて置き。日進月歩のデジタル業界ですから、数年後には無線で液タブが接続できる、なんて素敵な世界になっているかもしれませんが(だって地面を走るだけで充電するバスが、今年の大阪万博には登場するらしいじゃないですか。実際に道路工事するなんて未来はまだ先の話でしょうけど)。

でももし、10年後もまだ有線の世界だったら。

次こそはちゃんと「HDMI出力端子」のついたPCを買います…。今度はいくら何でもタブレットも買い替えだろ、と言われそうですが。でもとにかくちゃんと勉強します。デジタルってお金かかるなあ。頑張るよ。

こんなに長い長い語りを読んでくださって、ありがとうございました!!皆様のデジタルライフに幸多からんことを祈って。

なお、どんなラクガキをしたかは、次のページにて。

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