Writing

妖怪の語り

冬眠に入ります。

少々くたびれました。どうやら無茶をして働き過ぎたようです。鴉の先生にも、鵺さんにもご心配をおかけしてしまいました。妖怪オトヌエはしばらくお休みしなければならないようです。まあ、もともと施療院にお世話に...
妖怪の語り

おかえりなさい、先生

冬晴れ、という空でしょうか。とても綺麗な青空です。鴉の先生が、ものすごく高いところで旋回されています。どうやら街の視察から戻られたようです。今回は出動ではなかったので、緊急のお出かけではありませんでし...
小説

【小説】大丈夫

「ダイジョウブ、ダイジョウブ」雨(あま)宮(みや)真(しん)一(いち)が現場に着くと、そんな声が聞こえて来た。若い男性の声だ。近くに停車して、運転席から降りる。夜明け前まで降っていた雨のせいか、空気が...
小説

【小説】桜(はな)に珈琲を

その人は、明治七年生まれだった。平成も終わろうというこの時代に、まだその人は存在していた。桜井利助。貴子は何度もその名前を見つめる。どこもかしこも新年度の始まりで慌ただしい季節に、貴子は市役所のロビー...
妖怪の語り

冬支度

施療院でも、人間様の世界と同じように季節がうつろいます。鴉の先生のご加護で、ものすごい大災害などは起きませんが(起きるときは先生に何かあったときです。大変です)、お彼岸の時期には地獄草が咲きますし、そ...
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